堕ちた聖域


あるところに聖石が収められていた。
その場所は小さな教会。周りは緑豊かな森であった。

ある日のこと聖石の存在を知ったドラゴンがこの場所を攻めてきた。
そして教会を破壊し始めたのである。

グサリ……


ドラゴンの足元に何かが刺さった。
突然のことに驚いたドラゴンは足元を見た。
すると人間が剣を突き立てているではないか!
戦士はドラゴン目掛けて飛び込み切りかかる。

ドラゴンは戦士を捕まえようと何度も爪で攻撃するが、
戦士のすばやい身のこなしでかわされていきなかなか致命傷を与えられないでいた。
戦士のほうはというとたくさんの傷を負わせることに成功し、
徐々に弱らせ、ついには…

ド ラ ゴ ン を 倒 す こ と に 成 功 し た の で あ る !

が、しかし。。
ドラゴンの紫の血は人間にとって猛毒であった。
そして、ドラゴンを倒した戦士は力尽きてその場に倒れこんでしまったのである。


以来、その場所は、毒沼が広がり、
草木は枯れ、不気味な植物が台頭していき誰も近寄らなくなった──────







数十年後
野宿するところを探している途中に
たまたま毒沼の近くを通りかかった旅人の一団の一人が、
青い光に気づいてその方向を見た。

綺麗な青い十字架。

が、確かにあったような気がしたのだ。
それとも目の錯覚だろうか?
その人は毒沼の森の中にあんなに綺麗なものがあるはずがないと思い直し、
そのまま忘れることにした。

[pixia]